築山弘毅 個展「Rhapsody in Market Symphony」9/8(金)-10/7(土)
《A Walk In The Black Forest》パネルに顔料、金属箔、金属粉、合成樹脂/制作年:2020年
サイズ:905 x 720mm/©Hiroki Tsukiyama
「Rhapsody in Market Symphony」では、投資家の感情や思惑が、どのように市場の動きに影響を与えて、市場の「交響曲」を作り出しているのかを表現します。
築山は作品で、投資家がそれぞれに立ち振る舞い、市場で予測不能な動きを生み出す様子を 「Rhapsody」、これらの感情や思惑が一つに形成される市場全体の流れを「Market Symphony」、全体としての「交響曲」に例えて表現しています。
個々の思惑や感情が一つ 一つの音符やリズムであり、それらが融合して全体としての「交響曲」、つまり市場全体の動きを作り出す様子を視覚的に描き出しています。
相場の世界が人々の思考によってあらゆる出来事に呼応し、価値の増減が波となって波状を作り出しています。
それらを描き出した作品をこの機会にぜひご高覧ください。
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築山弘毅 個展「Rhapsody in Market Symphony」
会期:2023年9月8日(金)~10月7日(土)
時間:水〜土曜は12:00〜19:00、日曜は12:00〜17:00
定休:月・火曜
展示作品:「Rhapsody in Market Symphony」では、今年制作された《The Luster of Collapse》や《Blue Age》 のほか、今回の個展のために制作した新作など、約 15 点をご紹介いたします。
《The Luster of Collapse》パネルに顔料、金属箔、金属粉、合成樹脂/制作年:2023年
サイズ:727x606mm/©Hiroki Tsukiyama
■アーティスト ステートメント
私は、2011年3月に起こった東日本大震災を経験しました。その時、私は東京に住んでおり、ドイツへ渡る直前でした。
地面が水面のように波打つ揺れに恐怖を感じました。
津波や福島原発事故の映像が池袋駅の大型スクリーンに映し出され、多くの人々が呆然 と立ち止まっている光景を見て、楽観と不安が交錯し、冷静さを取り戻すまでに⻑い時間を要しました。
この時、為替相場も激しく変動しました。
相場のチャートの波状は、私の心の変化を反映しているようでした。
私は、相場の世界が人々の思考によってあらゆる出来事に呼応し、価値の増減が波となって波状を作り出していることに気付きました。
これを絵画に描くことで、人々の感情の変化を未来に伝えることができると考えました。
絵画は、ピカソの「ゲルニカ」のように、時間や出来事、人々の感情を保存するタイムカプセルのような役割を果たすことができます。
私は、相場の絵画を歴史画に位置付けることを試みました。
私の作品では、漆や金箔・銀箔などを用いた蒔絵の技法を取り入れています。
色を何層にも重ね、削りだすことで、相場のチャートを描き、物質的な奥行きを表現しています。
蒔絵の素材は、耐久性に優れ、美しい画面を作り出します。
素材の物質感がチャートの 奥にある当時の人々の心とリンクし、鑑賞者に様々なイメージを想起させるきっかけとなることを願っています。
《Blue Age》パネルに顔料、金属箔、金属粉、合成樹脂/制作年:2020年
サイズ:410x318mm/©Hiroki Tsukiyama
■作家プロフィール
築山弘毅(つきやま・ひろき)/ Hiroki Tsukiyama
1983 年 岡山県津山市生まれ
2009 年 東京藝術大学 絵画科日本画卒業
2011 年 東京藝術大学大学院 美術研究科日本画終了
2017 年 シュトゥットガルト美術アカデミー ホルガー・ブンク教授クラス終了
2019 年 シュトゥットガルト美術アカデミー マイスターシューラー取得
■受賞歴
2014 年 DAAD プライズ (ボン、ドイツ)
2016 年 ヴェルナー&エリカ・メスマー財団特別賞 ラドルフツェル芸術協会 (ラドルフツェル、ドイツ)
2019 年 第 12 回 岡山県新進美術家育成 I 氏賞大賞
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